【令和7年度補正予算案を読む】中小零細企業に本当に届く支援はあるのか?
こんにちは。
タイセイ中小企業経営財務支援センター代表の吉村太一です。
今日は、2025年11月28日に発表された「令和7年度補正予算案(中小企業庁)」について、長年中小零細企業の再生特化し、現場に根差した経営改善を実行してきた実務家の視点から読み解いていきます。
🔎 補正予算に期待する「本来の役割」とは?
そもそも補正予算とは、物価高・災害・急激な景気変動など、緊急事態への対応を目的とした追加予算であり、とりわけ中小零細企業にとっては、日々の資金繰りや経営改善の糸口となる「命綱」となる支援が盛り込まれることが期待されます。
しかし、今回発表された令和7年度補正予算案(総額8,364億円)を詳細に見ていくと、
「支援の方向性」が従来とは異なってきている現実を個人的に感じます。
💡 成長企業優遇?大規模投資への重点配分
特に注目すべきは、「成長投資支援」の項目です。
- 中小企業成長加速補助金:3,400億円
- 大規模成長投資支援:4,121億円(うち新規2,000億円)
これらは、「売上高100億円を超える企業群を中心に、飛躍的成長を遂げる企業を支援する」という主旨で設計されています。
つまり、いわば“大企業予備軍”向けの大胆な財政投入であり、現場の中小零細企業にとってはまさに「別世界」の話です。
当センターが日々接しているのは、月次赤字に悩み、銀行交渉に苦しみ、従業員の給与支払いに神経をすり減らしている小規模事業者の方々です。
そうした方々にとって、この予算は果たして「届く支援」と言えるのでしょうか?
🤖 生産性向上・省力化支援…申請の壁は高すぎる?
次に、生産性向上・省力化への投資支援として、
- デジタル化・AI・販路開拓・事業承継・M&A等の補助金(3,400億円)
- 省力化投資支援(既存基金から1,800億円)
といった予算が掲げられています。
しかし、ここでも「要件の複雑さ」が目立ちます。
申請には個別の省力化計画の作成、見積、プランの策定などが求められ、
日々の業務で手一杯な中小企業にとって、書類を揃えるだけで疲弊してしまうのが現実です。
「生産性を上げろ」と言われても、まずは人手不足や資金ショートを乗り越えることで精一杯…。
それが、いま目の前にある多くの企業の本音なのです。
💰 資金繰り支援は実質的に限定的?
補正予算に盛り込まれた資金繰り支援も確認してみましょう。
- 信用保証制度の新メニュー:152億円
- 政策金融機関による支援枠:40億円
合計してわずか192億円規模。
前述の成長投資支援が7,500億円超ということを考えると、
資金繰りに苦しむ零細企業に対して、あまりに“控えめ”な印象は否めません。
実際に、現場では「保証協会に相談したけれど、通らなかった」「返済実績が足りないと却下された」といった声も多く聞かれます。
制度はある。けれど、“本当に困っている企業”が使えない制度では、意味がありません。
🧭 私たちが今できること:攻めの備えを整える
では、中小零細企業の経営者は、この状況をどう受け止めればよいのでしょうか?
私からの率直な答えは、「制度を嘆くより、制度を使いこなせる企業体質を今こそ整えるべき」です。
具体的には:
- 経営改善計画書の策定(今後の資金調達の土台になります)
- 記帳体制(自計化)の整備・決算対策(財務面での信頼性を獲得)
- 管理会計導入による利益管理と資金保全
- AIを活用した事業計画書内容の精度向上
- 資金調達サポート付き金融交渉支援の活用
当センターでは、こうした「制度を現実的に活かすためのサポート」を軸にした支援も行っております。
✉️ まとめ|生き残るのは、備えた企業
令和7年度補正予算案を俯瞰すると、支援の重心が「選ばれる企業」や「成長ポテンシャルの高い企業」に置かれているのは明らかです。
ですが、それは裏を返せば――
“準備ができている企業には「活用のチャンス」が広がっている”ということでもあります。
今、現場では変化のスピードが速まり、金融機関の目も厳しくなっています。
その中で、いち早く経営改善に取り組み、体制を整えた企業だけが、支援制度の追い風を受けて浮上していくのです。
📞 ご相談はこちらから
当センターでは、
補正予算を活かした実行支援、事業再生、資金調達、経営改善計画書の作成指導、記帳・管理会計整備までトータルでご支援しています。
融資申請、資金繰りに関するお悩み、補助金助成金の活用等々、経営改善の第一歩を踏み出したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
