あなただけの社外CFOとして、経営改善・資金繰り・資金調達を伴走支援

会社とお金のまるごと支援所

Produced by タイセイ経営支援株式会社

           

ブログ

事業再生に「正解」はない。誰の目線で見るかで、答えが変わる

窓の外の夜明けの街を静かに見つめる吉村太一。空には金色の光が5つ並んでいる

事業再生といっても、いろいろあります。

業種、規模、地域、業況、財務状態、負債額、債権者の数……。

私たち専門家にとっても、「これが正解」というものは、現実にはありません。

「なんで? その会社や事業を再生するという一点においては、不変なんじゃないの?」

そう思われる方も多いでしょう。

でも私に言わせると、それは現場を知らない人の見方です。

一言で「再生」といっても、支援する私たちの立場から見ると、

誰の目線に立つかで、中身がまるで変わってきます。


再生の「目線」は5つある

事業再生の5つの目線:金融機関、税理士など専門士業、経営者とそのご家族、従業員、取引先や個人など金融機関以外の債権者
事業再生の「5つの目線」

あくまで私見ですが、事業再生の目線は、大きく分けて5つあると考えています。

金融機関の目線
税理士など、専門士業の目線
経営者とそのご家族の目線
従業員の目線
取引先や個人など、金融機関以外の債権者の目線

もちろん、従業員や取引先などの目線も、とても大切です。

ただ、この記事では、ご相談の入口になることが多い、金融機関と経営者の目線を中心に、お話しします。


ご相談は、金融機関と税理士などからが圧倒的

私にご相談をいただく場合、過去の例では、金融機関からと、税理士など専門士業の方からが、圧倒的です。

ただし、税理士などからのご相談であっても、再生の当事者は経営者です。

支援を続けることになれば、主役は経営者になります。

つまり、おおよそ「金融機関」か「経営者」かということになります。

ここに、大きな違いが生まれることを、おわかりでしょうか。

金融機関の目線は「債権回収」
経営者の目線は「経営改善」、もしくは「債務整理」


金融機関と経営者では、目線が逆になる

左は金融機関の目線(債権回収)、右は経営者の目線(経営改善・債務整理)。向きが逆であることを示す図
金融機関と経営者の目線は、向きが逆

金融機関から支援のご依頼を受けた場合、私たち専門家は、金融機関のご意向を無視できません。

要は「回収するために、どう再生させるか」です。

一方、経営者から(税理士などを経由する場合を含みます)ご依頼を受けた場合、普通に経営改善が叶えば万々歳です。

ただ、私たちのような現場の専門家にご相談の話が来る頃には、すでに「末期」の状態。

打てる手がほとんど残っていないことが多いのです。

そうなると、基本路線は

「経営者のご負担が、できる限り少なくなるように、債務整理をどう実現するか」

になります。

もちろん、債務整理の場合も、出発点は、目の前の経営改善です。

そこは、勘違いしないでいただきたいと思います。

このように、金融機関と経営者の目線は、まったく逆です。

当然、支援の手法も大きく変わります。

金融機関の側に立てば、経営者の責任を問う方向が強くなります。

逆に、経営者の側に立てば、金融機関のご意向と、ぶつかる場面が出てくることもあります(あくまで可能性の問題ですが)。

そのとき、何が正解で、何が不正解なのか。

答えなんてない、と私はいつも思います。


ある再生の話を聞いて

先日、ある会社の再生支援のご相談が、金融機関経由であったらしい、という話を耳にしました。

実は、その経営者とは、私が20年以上前に上場投資銀行に所属していた時代に、お会いしたことがありました。

当時は、会社と事業を立ち上げたばかりの頃だったようで、いろいろなお話やご相談を受けた記憶があります。

それから20年以上が経ち、「再生フェーズ」になったとのこと。

一時期は、相当好調だったようです。

世の中は、当時よりも資金が回っているように感じる今であっても、

そうですか、あの会社が……と、少し残念な気持ちになりました。

どういう再生をされるのかは、私にはわかりません。

ただ、先ほどお話しした目線の違いで、内容も方向性も結果も、相当違ってくるでしょう。

「金融機関とは、うまく付き合いましょう」

と、ご支援する社長様には、いつもお伝えしています。

ですが、経営者の目線に立つと、そうしたくてもできない場合があります。

もし私が、その会社の財務内容と経営の現状を診断するとしたら、どんな方法論に行き着くのか。

いろいろな想いが募ります。

本当に何がベストな答えなのか。

これは、永遠の課題なのかもしれません。


おわりに

事業再生に、これという正解はありません。

だからこそ、金融機関の方、税理士など専門士業の方、そして経営者ご自身。

どの立場の方からのご相談でも、まずは、お話をお聞きするところから始めたいと思っています。

金融機関とのお付き合い、資金繰り、返済のこと、会社の将来のこと。

「こんなことを相談していいのだろうか」と迷う段階でも、かまいません。

むしろ、早い段階のほうが、打てる手はたくさんあります。

ご相談は、下記からお気軽にどうぞ。


吉村 太一
中小企業再生・経営財務コンサルタント
タイセイ経営支援株式会社(会社とお金のまるごと支援所)
ご相談・お問い合わせ:https://taiseifundraisingsupport.jp/contact

前の記事

AIを使えば楽になると思っていた私が、なぜ逆にAIの世話に追われるようになったのか

次の記事

資金繰り表は「作る」より「毎月回す」。ひな形付きの使い方をnoteで公開しました